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復活起業家が本音で語る! 「失敗からの復活起業フォーラム」パネルディスカッション【2/3】

一般社団法人MAKOTO
2016.06.10

日本初の再チャレンジ支援に特化した投資ファンド「福活ファンド」を運営する一般社団法人MAKOTO主催により、2016年3月25日に「失敗からの復活起業フォーラム」が開催されました。再起業から成功した起業家含む4名による「失敗からの復活」をテーマにディスカッションを展開。これから再チャレンジする人へメッセージを伝えます。

主催:一般社団法人MAKOTO 協賛:株式会社福島銀行

福活ファンド http://rechallenge-fund.com/


日本初の再チャレンジ支援に特化した投資ファンドである「福活ファンド」を運営する一般社団法人MAKOTO主催により、2016年3月25日に 「失敗からの復活起業フォーラム」が開催されました。再起業から成功を果たした起業家であるクラウドワークス・吉田氏、SYホールディングス・杉本氏、ベンチャー企業政策に関わる経済産業省・石井氏、主催者MAKOTO・竹井(モデレーター)の4名が登壇し、「失敗からの復活」をテーマに熱いディスカッションを展開。二人の起業家がありのままに語った実体験を軸に、再起におけるハードルやリスクマネーへの期待、これから再チャレンジする人へのメッセージを伝えます。


【仕事よりつらい事をやる】

杉本 私は事業を失敗致しましてから、やる事が無くなってですね。私の場合、上場していたので沢山の方にご迷惑をおかけしたため笑い話しにしてはいけないのですけど。民事再生をして、何百億も負債があって、それを処理していかないといけないという時に、結構、忙しいのではないかとご想像される方もいらっしゃるかと思うのですが、目茶苦茶、ひまなのです。前向きな話しが一切ないので。

 『金返せ』と言われて『返します』とやっているだけなので。3時ぐらいには銀行さん閉まるので仕事がないのです。何やったら良いかなという事で格闘技を始めました。怒りのやり場がどこにもなくて。秋山さんという武闘家の方がいらっしゃいまして。で、その方の誘いでキックボクシングを始めまして。お陰様で結構上達も早くて、4、5カ月ぐらいで、もう再起業する直前になって試合も出さされて。

 その当時は、電通の方がすごくK-1で頑張っていらっしゃって、電通のサラリーマンファイター対元社長ファイターみたいなプロモーションやれば絶対これは盛り上がるぞと。それで『やる?』と言われたのですけど、そのオファーを受けていたら、今ごろ僕はここに居なかったと思います。

 こないだ新経連さんで、藤田さんと三木谷さんの誘いを受けて、GMOの熊谷さんとUSENの宇野さんとお話しをさせて頂いたのですけど、皆さんもすごい潰れそうな経験をされていて。熊谷さんも400億、宇野さん2,000億みたいな。『何やっていましたか?』と聞くと皆さん『運動していた』と。

 『仕事より、つらい事無いかな』と探したら、宇野さんの場合トライアスロン、熊谷さんはベンチプレス上げる事だったと話していまして。僕はキックボクシングでしたと。見事に揃ったのです。

 やはり正直申し上げると、民事再生して、借金抱えて、毎日銀行さんからワンワン言われて、取引先からも『詐欺師だ、嘘つきだ』と言われて、大変辛い経験をしたのですけれども、自業自得ではあるのですけれど。毎日、それと向き合い続けていると、人間、精神が壊れてしまうので。どこかで、逃げ道が無いと。当たり前ですけど、毎日すいません、すいません、と謝って反省してもう寝るまでも反省してっていうのは難しいでしょうから。運動なりなんなり、自分のやってみたかった事を僕はやってみようと。

吉田 そこから何がきっかけで再起していくことになったのですか。

杉本 はい。一つは、秋山さんに本気で格闘技やらないかと言われて。俺はこの道をそのまま行ったらとんでもない事になるなと。ここで立ち止まって起業しなくてはと思ったんですね。というのは冗談ですけれども、本当に周りに応援して下さる仲間の方がいて、その方々がもう一回やろうとご出資をいただける事になり。最初に5人の方々に出資をしていただき、ファイブノットという会社を作ったのですけれども、それがスタートでした。

竹井 なるほど。厳しい時、色んな方から責められたという時にも、その人たちの存在が大きかったんですか。

杉本 そうですね。本当に身内みたいな人達を、絶対に作っておかなくてはいけないなと思います。絶対的にどんな事があっても、応援してくれると。『世界中が詐欺師と言おうが、世界中を敵に回したと言っても俺は応援してやる』と言ってくれる人たちが僕の場合は5人いた。その人たちが出資をしてくれて『杉本、お前もう一回再起しろ』と言って、僕の持ち分で出資する分もデッドでつけていただき、会社が軌道に乗った時に会社のお金で返済をしていくと言う形にまで整えてくれました。

 本当に人だなと。先ほど荒井さん(福活ファンド投資先企業)もおっしゃっていましたけど、本当に人だなと思います。


【きっかけはお歳暮?】

竹井 有難うございます。吉田社長どうですか?

吉田 そうですね、私の場合は、その当時は結構人間が小さくて、本当にさっき申し上げたように裏切りが半年間続きました。もう憎くて憎くてしょうがなくて。離婚するときの夫婦みたいな感じの状況で『お前が持って帰ったあのパソコンのキーボードさあ、あれ会社の備品だから返せ』みたいな状況でした。嫌がらせのような本当に小さい事をやりながら、毎晩寝て起きても、そいつの『吉田さん気づかなかったんですか、あはは』みたいな、そんな笑い声笑い顔で目が覚めるんです。2時とか3時に目が覚めて、というのを1ヶ月ぐらい。ずーっと恨んでいたのですけど、1ヶ月ぐらい経って、恨んでいても何も変わらないなと。

 一方で、彼はもう1ヶ月そのクライアントと仕事をしていると。彼は進んでいて、俺ばっかり進んでないという事は、やはりあいつを変える事は出来なくて、自分を変える事しか無いのだな、という事を思ってですね。そんな1ヶ月の間に全員社員辞めていて、全部清算しているので、2010年の年末にマンションのオフィスに独りぼっちで。

 『はあー』みたいな感じでいたら、呼び鈴が鳴ってですね、宅急便でお歳暮を頂いたのですよね。このお歳暮が上場企業からのお歳暮で。自然に涙が出てきました。色々恨んでたけど、寂しかったのだなとわかりました。

 自分の中で雑念が色々あったのだと思います。お金儲けたいとか、美味しいもの食べたいとか、車買いたいとか、色々思っている事が、役員とか社員とかに伝わっていたのだなと。やはりこれだけチャレンジさせてもらって、いろんな人がついてきてくれて、人から感謝される事がやはり一番重要だったと気が付きました。本当に、その人の役に立って人から有難うと言われる事以外は、もう取るに足らないのだという事で、その時に自分の腹が決まりました。

 お歳暮をずっと頂けるような感謝される仕事をしよう、人の心に残る仕事をしようという事で、再起を考えました。腹をくくってビジネス決めて、全財産をかけて事業を起こして1日1,000円で2年位ずっと休まずに年末年始も12月31日も1月1日も働いて、今に至るという感じです。

竹井 それはやはり人、先程もキーワードで上がりましたけれども、お歳暮を贈ってくれた人、それがやはりスイッチを入れた、という事ですね。

吉田 そうですね。それで完全に人生の優先順位が分かりました。


【再起のハードル】

竹井 お二人が再起業されるときに、ハードルは無かったのですか?先程、周りの方に出資していただいたので資金面は大丈夫だったという話しがありましたが、それにしても、もう1回起業するという時には、やはりハードルがあると思います。お二人の場合には、どこがハードルになって、それをどう乗り越えられたのか教えてください。

杉本 はい。やはりハードルはあります。先程、福島銀行の森川社長もおっしゃっていましたが、やはり銀行さん冷たいですね。今でも覚えておりますが、2010年、本当にまだまだ市況も厳しい時代でしたし、不動産もまだ利回り10%ぐらいの物件がうようよあったような時代でした。ある時ゼネコンさんから紹介された両国の駐車場が500万円で、利回りが14%超えで是非買いたいという事で、500万だけ融資をお願いました。利回り14%で回っていて15年返済でも月々の収支額がプラスになる、既に賃貸が付いている物件ですら融資していただけなかった。

 当たり前なのですが『君たちはあの民事再生をしたエスグラントの残党だよね』という言い方をされて『舌の根も乾かぬうちに、また金を貸してくれとは何事だ』というような趣旨の事を言われて。

 悔しい思いだったのですけど、何とかお金かき集めて現金で買いました。エスグラントの時には、ほんとに何十億の物件を動かしていましたが、再起業をして500万円の駐車場を初めて買った。あの時の事はほんとに忘れられなくて。実は今もその駐車場を持っています。我々創業の地の両国駐車場という事で。

 その時に銀行さんにビジネスモデルをプレゼンしたのです。我々が何故失敗したのか、そして今回の会社を作るに当たって何を改善し、何を目指してやるのか、理念が無かったという事を反省してしっかりとした理念を持って。財務状態を良好にしていくためにもストック型収益を増やしていくという事もプレゼンしたのですけど『お引き取り下さい』と言われて。

 お陰様でその時に帰れと言われた銀行さんにも今だいぶ融資をして頂いてます。『あの当時のビジネスモデル、杉本さんが言っていた、3年後に必ずここまで成功を積み上げて賃貸収益だけで3億円以上の利益を出すと言っていた事は、今でも覚えていますよ』と、言って頂いて。

竹井 吉田社長のハードルは?

吉田 ハードルはですね、本当に業界の中で信用が無かったので、友達や起業仲間がいなかったことですね。

 36歳にして、仲間をゼロから探していくというのが、とてもハードルが高くて。みんな腫物みたいな感じに扱う状況でしたので。そんな状況の中、開発担当取締役は、ツイッターで知り合いましたね。

(会場笑)

竹井 会った事も無い人と。

吉田 会ったことが無い人です。ツイッターで、こういう受託のプロジェクトがあるのだけど誰かいませんか。ちょっと面白いサービスなのですと記載して、リツイートして下さいと書くのです。その時彼は慶應のSFCを出て小さな会社で働いて、7、8年働いて独立したのだけど、一人独立したら全然仕事が無い。どうしようと考えていて、私のツイートを読んで『興味あります』と。一緒に受託の仕事を1回やってみて、そこから彼はうちに入ることになりました。

 私がその次に行った事は、投資家をまわって、自分の失敗を全部話しました。当時、お金はなんとか僕らで儲けていたのですけど、とにかく事業が作れなかったということをありのままに伝えて、私に合う事業があればお金は儲けられるはずですと。私に合う事業は何ですかと、ずっと人に聞いていて『自分で探せ』と言われたりもしましたね。その言葉に対して、新しいタイプの起業家ですと返答したこともありました。

 それから、サイバーエージェント・ベンチャーズの田島さんに、『吉田さん、受託の仕事をオンラインでマッチングするクラウドソーシングと言う仕組みが、今アメリカにあって、日本には個人の信用という概念がまだ無いのだけど、これ結構可能性あると思うよ』と言われて。

 これはもう自身の得意な分野を活かせるサービスだと思って進めているうちに、投資家が見つかり始めて。その投資家の勤めている会社の部下が、今うちのCFO財務担当の人間です。ゲーム会社に勤めていてゲームはもう嫌だ、もっと社会性の高い事をやりたいと言っていて、その投資家のリファレンスがあったので、二つ返事で彼が参画してくれました。

 今の副社長のCOO出会いは、友達にお願いして若手の優秀なエンジニアや起業家を集めてくれと開いたイベントでした。そこに慶応の経済で在学中に起業していた、いきがっている奴がきていて。そこで、お前がやっていること面白そうだねと話しました。それから2ヶ月後ぐらいに彼が作っていた事業がダメになって落ち込んでいる所に、自分の失敗経験について話して、インターンすべきと勧めました。それが今弊社の副社長になっています。

竹井 作ったそのメンバーで3年後に上場しているのですか。

吉田 そうです。

(会場笑)

杉本 失恋した人たちの集まりみたいな。失恋サークルが上場したみたいな。凄いですね。

石井 政策の観点から、ハードルの話をしたいと思います。僕らも再チャレンジを増やそうと思って、ハードルを色々と調べたのですけど、やはり一番大きいのが金銭的なハードルです。銀行からお金を借りる時に求められる担保、保証人、これが原因で、なかなか再チャレンジできなくなるところがあって。それでいま、担保、保証人を取らないことを目指そうと、そういう銀行融資を増やすことやっていきたいと思っています。

 それからもう一つは、そのファイナンスの仕組み自体を、融資では無く、エクイティで出資すること、これをもっと増やさなきゃいけないと努力しています。

 そして、ファイナンスの事は大きいですけれど、もう一つやはり大きいのが、「人の気持ち」です。

 やはり、応援してくれる人がいないとか、『あなた失敗したじゃないですか』と言う人が多い。でも、さっき失敗仲間という話がありましたが、失敗した後に成功した人に、政府としても注目していく、それによって人の気持ちが変わると考えています。その挑戦する人をみんなで称えるというような事をやっていこうというのが、僕ら政府の中での方針です。吉田さんの話の中で、「日本ベンチャー大賞」の話しが出ましたが、国をあげて挑戦することを称える、吉田さんのように今まで日本に無かった事業に挑戦しているというのを表彰する、そういったことを、いま政府でもやっています。

吉田 連帯保証については、本当に行って頂きたいと思っています。アメリカで、連帯保証はほとんど存在しないので。私も上場前、11億調達した時も契約書面が提示され、リスクマネー回収が目的になっています。方法を作る訳なので、あまり意味が無いと思いますけど。

石井 今、僕らもガイドラインを、作ってもらって、それを実行してもらうように、今やっている所です。

竹井 経営者保証ガイドライン。

石井 そうです。日本銀行協会と日銀で策定し、今、実施されています。



<関連ログ>

■1/3 登壇者自己紹介/失敗から再起へ

■2/3 仕事より辛いことをやる/きっかけはお歳暮?/再起のハードル

■3/3 なぜ再起できたか/学びの経験、メンタルで負けない/クロージング

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