logl・ログル

世界をログしよう!

<前編>とっとり起業フォーラム2017 【地方での起業とは。鳥取県での未来を切り開く起業】Part1

坂脇奈緒
2017.02.22

2017年1月26日(木)に開催されたとっとり起業フォーラムのイベントログになります。

会場アナウンス:まず最初に、「地方での起業とは。鳥取県での未来を切り開く起業」をテーマに、鳥取県出身で、IT業界で活躍されておられます、アメリカのシリコンバレーで起業家として活躍されている本間毅様、元IBMベンチャーキャピタル日本代表で、現在は西粟倉ローカルベンチャースクールのチーフメンターなど、地方での起業支援に大変お詳しい勝屋久様にフリートークを行っていただきます。

鳥取にいる素敵な人々

本間:これは勝屋さんが話したほうがいいかな。大江ノ郷自然牧場、皆さんご存じですよね。

勝屋:知ってます? ご存じの方。あ、結構多いですね。昨年、鳥取県庁の方のご紹介で初めて行ったんですね。で、社長の小原さんとお会いして、すごい感動して、絶対応援したいと思っちゃったんです。すぐ応援したくなる病気が出て。

本間:なんでそう思ったんですか。

勝屋:なんかね、想いの純度が高いの。小手先だけでビジネスをやろうとしている人じゃなくて、真面目に平飼い飼育の卵を売っていて、無料で配りに行って、そこからスタートしていって、ちょっとずつ軌道に乗って、パンケーキが当たって。

今度アミューズメントパークみたいなのをつくりたいと言っているわけですね。で、ちょっとこないだこちらのカフェで食中毒事故があったんですよ。皆さんご存知じですかね。

本間:実はね、今日この場にお呼びしたかったんですよ。で、皆さんで話しましょうとお伝えしたんですけどね。

勝屋:うん、そうそう。で、僕も心配して、小原さんに応援のメールを送ったのですが、とっても誠実でかつ事業に対する強い意志を心から感じた返信をいただいたのです。なんかね、こういう人が鳥取にいるというのが素敵だなと思ったんですよ。

こちらが公に出ている謝罪の文です。紹介させてください。

本間:だいぶ乗ってきましたね。

勝屋:

【大江ノ郷自然牧場をご愛顧頂いているお客様へ】

「安全のお約束」

いつも大江ノ郷自然牧場をご愛顧いただき誠にありがとうございます。
この度のココガーデンカフェでの食中毒事故におきまして、多くのお客様に多大なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。今回の事故は、調理工程における落ち度が原因であり、全ては私の管理不行き届きによるものです。このような事態となりましたことを深く反省しますとともに、いつも当牧場をご愛顧いただいている皆様へ、心よりお詫び申し上げます。

23年前、私は「お客様に安心してお召し上がりいただける卵をお届けしたい」という夢を叶えるため、一人でこの牧場を創業いたしました。同じ想いのままに、9年前に直売施設ココガーデンを開店し、お客様に笑顔をお届けしたいという思いのもと、仲間と一緒に必死に頑張って参りました。

しかし、その想いとは裏腹に、大切なお客様の健康を害することとなり、とても申し訳ない気持ちで一杯です。

私はこの度の件で、食をお届けする仕事は人の命をお預かりする仕事であると、改めて感じています。そして、この事を教訓とし、ココガーデンカフェ商品だけでなく、全商品の衛生管理・製造管理を強化することを急務と考え、社外の有識者にもご協力をいただきながら一層の衛生管理基準の改善を進めるなど、皆様から信頼していただける商品作りを仲間と一緒に取り組んでおります。そして今まで以上に皆様に喜んでいただくために、より一層安全な商品作りを行うこと、そして未来永劫この気持ちを忘れないことを誓いました。

ココガーデン開店以来、私たちはこの地を観光地にして「鳥取」に貢献したいという想いで、ここまで歩んで参りました。その間、本当に多くの方々にご愛顧並びにご協力賜わりましたこと、心より感謝申し上げます

今までずっとご支援くださった皆様へのご恩に報いるためにも、今回の事を機に、今一度原点に立ち戻り、真の安全をお届けできる牧場として、皆様のご期待にお応え出来るよう一層努力していくことを、ここにお約束いたします。
 
【大江ノ郷自然牧場  小原 利一郎】

素敵じゃありません?小原さんのような起業家がいる鳥取って!

本間:素晴らしいですね、これね。

(会場拍手)

鳥取で起業することの意義

勝屋:こういう方が鳥取にいらっしゃるんですよ。八頭町って、僕、びっくりしたんですけど。岡山県西粟倉村は、皆さんご存じの方いらっしゃいます? 西粟倉村よりも、田舎と言っちゃ失礼かもしれないけど、超山だらけなんですよ。そこに人がたくさん集まっていて。ビックリしましたよ。

僕、先月も大江ノ郷自然牧場 ココガーデン&ヴィレッジに行ってきたんです、実は。西粟倉村ローカルベンチャーの仕掛け人の牧大介さん(株式会社エーゼロ 代表取締役)を紹介しに。そうしたら、本当にいっぱいなのよ、土日。

本間:あんなところに人が来るなんて信じられないですよ。

勝屋:だから、立地条件で悪いからとか、よく言うじゃないですか。お金がないからとか、何々がないから、知名度がないから。もう、ぶち壊している人。

本間:今日ね、僕がここでお話ししたかったことの一つというのは、ぶっちゃけ、鳥取で起業なんて無理なんじゃないかと思っていたんですよ、正直。この地で生まれ育って、こんなとこでって。ごめんなさい、本音です。

それで東京に行って、というのあるじゃないですか。鳥取で頑張りたいんだけど、どうなんだろうって、若いとき、思っていたんですよ。でも、こういうのを見てですね、なんか俺、間違っていたんじゃないかなと。

勝屋:思ったんだ。

本間:そう、普通に考えるとね、例えば人口が少ないとマーケットちっちゃいじゃないですか。そこで商売をやると、ちっちゃくなりますよね。どうするんですか。

例えば、起業って、僕、シリコンバレーにいるからそうですけど、あらゆる情報が入ってきて、そこで新しいアイディアとか、ディスカッションしながらパートナーシップ組んだりとか。そこで、いろんなことが起こる可能性が高いわけじゃないですか。

だけど、イベントもないし、コンテストも、ありがたいことですけど今日みたいなのがやっとあるぐらいで。チャンスないんじゃないかと思うわけですよ。

そんな鳥取でね、起業なんか無理だと。皆さんを鳥取にお迎えするまで、半分以上そう思っていました。でも、こういうのを見て、「あれ?」と。「これあるな」と。

勝屋:私もびっくりしました。300名の雇用を生み出しているんですよ。びっくり。ゼロから立ち上げて。

純粋な思いがビジネスを成功させる

本間:勝屋さん、いろんなビジネスを見ていらっしゃるじゃないですか。なんでうまくいったと思います? だって、世の中に田舎っていっぱいあるし、過疎地もいっぱいあるし。でも、なんでここはうまく行ったんですか。

勝屋:僕はやっぱり、彼、小原さんの純粋な思いだと思います。純粋な思いで、諦めずに頑張っていたのかな、真面目に。で、お客様のお言葉とか真摯にとられて。

本間:だって、ここに至るまでに3年とかじゃないですね、10年以上かかってる。20年か。20年近くですよね。

勝屋:小手先で、SNS使ってマーケティングしようとかあるじゃないですか。私も昔、そういうのにかぶれちゃっていたんですけども、本質はそこじゃないなと思ったんですね。

本間:ご本人座っていますけど。五臓円薬局っていうのは鳥取の大火で焼け残った唯一の建物ですということで、それが残ってちゃんと新しいスペースになっているということと、女性の起業家(株式会社nido 代表取締役 中村彩さん)もいますよね。女性とか、地方だと、どうしても社会の中でのポジショニングというのが、ある意味、偏見に満ちた言い方で言えば、やっぱり弱いんですよね。

だから、起業するっていう話になると、どうしても心の中で違う目で見られるというのがあると思う。という中で、きちんと頑張っておられて、しかもオリジナルのプロダクトをつくられたりとか、カタログもちゃんと作られたりとか。すごいなというのを思いました。

地方での起業はディスアドバンテージにならない

本間:とはいえ、今日、このお話の中で僕が皆さんに持ち帰っていただきたいことは、「じゃあどうしたらいいの」「起業って可能性あるの」と、さっき僕が問いかけたようなことを、もうちょっと掘り下げていくようなディスカッションができたらいいなと思っているんですけれども。

例えばですね、さっき言ったように地方って、要はディスアドバンテージというか、難しいと思うんですね。商売やるんだったら、東京か大阪でやったほうがうまく行くんじゃないのと普通は思っちゃうんですけど。

そういうのって、いろんな事例をお持ちだと思うんですけど、他のとこだとどうやって皆さん、地方から起業とかされているんですか。

勝屋:地方からという意識はあるのかもしれないけれども、ディスアドバンテージだと思わないですよ。

本間:そもそも思っていない?

勝屋:多分思っていないかもしれないです。例えば、メディアに露出しようと思っても、NHKの取材って、東京って難しいじゃないですか。でも地域だと、結構つながりやすいじゃないですか。

本間:ネタがあまりない。

勝屋:そうそう。全国で流されるかもしれない。僕は、鯖江という町に十数年前から関わっていて、そこなんか今、オープンデータで、ほんとにNHKの人とかバンバン取材に来るんですよ。東京でああいうことをやっていても、多分そんなに目立たなかったと思うんですけど。

本間:特にメディアだと、地方だからこそ、東京への存在感を出せるということがあると思うんですね。

勝屋:あと、自分もそうなんですけど、インターネットさんのおかげで、絵をアップしただけでアメリカの知らない人が、買いたいと言ってくれたりしてます。これは本当に距離を埋めていますよね。

本間:勝屋さんがその絵をアップロードした場所が、東京であれ沖縄であれ鳥取であれ。

勝屋:関係ないと思うんですよ。だから、そういう思考が重要です。ネガティブと思ったら、多分ネガティブになると思いますし、捉え方だと思うんです。

サラリーマンからベンチャーへ

本間:そこなんですけど、例えば僕が思ったのは、僕みたいにずーっと鳥取で生まれ育ってきちゃうと、多分ある一つの見方しかしていないんですね。鳥取ってこんなもんだって自分である程度決めつけちゃって、それがどんなにいいポテンシャルを持っているのか、自分の目では分からないですよ。

今回、勝屋さん、海老根さんに来ていただいて面白かったのは、勝屋さんと海老根さんのフィルターを通して見たものを、僕が聞くじゃないですか。「本間さん、これ面白いね」とか「これすごいね」って。

あ、そう言われてみるとそうだな、というのが結構あって。県外の人からいろんな気づきをいただくというのは結構あるかなと思いました。

勝屋:それはね、僕もありました。でね、本間さんと出会ったときって、僕、37歳かな。そのときに、IBMという会社で、そこそこ、ビジネスマンとして頑張っていたんですよ。マーケティングやったりとか。結構、自分でも自信があったんですよ。新規事業つくるとかです。

でも、なかなか大企業って難しいなと。本間さんと話をしていたら、気づきだらけでした。会社ってこうやって起こして、新規事業をつくるんだとか。今は、MBAでアントレプレナーシップやスタートアップとかいろいろ学べるところがあるんですが、当時はなくて、本間さんから結構、僕、細かいこと教えてもらってましたね。

本間:当時、僕は24か25ぐらいで、4億円ぐらい資金調達して、投資いただいて、会社を上場させようというときだったんです。

勝屋:そのときの写真とか見せたいんですけど、今日持ってきてるんですが、いいですかね。

本間:まあ、いいっすよ。当時ね、勝屋さんすごく真面目なサラリーマンで、外資系IBMのバリバリサラリーマンですね。

勝屋:僕はもう自己開示します。37歳のときのカッチャマン。勝屋久。

本間:鳥取県庁にいそうな感じですよ、これ。

勝屋:鳥取県庁にもいないでしょう。こんなダサい人。

勝屋:目が死んでて、直立不動。僕、当時、戦略がどうだとか、小難しいことばっかり言っていた人間。で、本当に僕は、こう変わったんですよ。何よりも若返っていません?

本間:良かったんですかね、変わって。

勝屋:良かったですよ、本間ちゃんと会って良かったなと。ありがとう♡ 本間さんの顔、これ、学生でしょ?

本間:言ったじゃないですか。当時25とか、大学後半です。

勝屋:IBMの社内報を作ることも、僕のチームの仲間が手掛けたことがあって、いい材料があるなと思って、20代で起業した人たちをインタビューして、IBMの社員にもっと刺激を与えたいと思って、私も刺激をもらっちゃったので、もっと与えたかったので。

 見てください。やりたいことをやらない人間はつまらない! むかつきません? 僕、当時、やりたいことを一応やっていたつもりだったんですけど。

本間:ほんとすみませんでした。

勝屋:ほんと、自分自身を突きつけられましたね。ここからです、僕が悩みだしたのは。いい意味でね。こんな形で。やりたいことをやらない人間はつまらないですね。ほんとに、当時いくつ?

本間:年齢は25ぐらいです。

勝屋:25ぐらいでしょ? 25ですよ。偉そうにふんぞり返って。今のほうが若返ってません?(笑)


Part2

https://logl.net/471

Part3

https://logl.net/472

人気ログランキング

最新ログ

もっと見る
TOPへ戻る