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DMM亀山会長中国人学生に向けてのメッセージ: どんどん真似て中国は日本を越えていけ

樋口亜美
2018.02.26

2018年2月5日、中国最高峰・北京大学生20名が5日間訪日する起業カンファレンス「Project Abroad(プロジェクト・アブロード)」がDMM.com社にて開催されました。亀山会長が今後の日中関係や日本の未来について中国人学生とDMMアカデミー生の前で登壇しました。


亀山会長の青春時代

僕はハタチくらいの時、自作のアクセサリー等を道端で販売してました。その後田舎でビデオレンタル店を始めました。順調には進んでいたのですが、レンタルビデオ事業がこの先細ることを考え、ネットの配信事業をしようと思いつきました。

当時はアニメや映画のコンテンツを買うお金がなかったので、アダルトコンテンツを購入してビジネスを始めました。それがうまくいったのですが、もともとアダルト事業に思い入れがあったわけではなかったので、そこから得た利益で色々な違う業界の新規プロジェクトにも参入しました。

現在は英会話、FX、ゲーム、ソーラー発電など40以上の違う分野の事業を行っています。最近は新しいビジネスを作る力を養うため、若手を集めDMMアカデミーを設立しました。みなさんと同じくらいの歳だね。

白紙から始まった中国

先週、中国大企業テンセントやテンセントが投資している会社との日中交流会に行ってきました。中国ではたくさんの創業者がいます、主に30〜50代ですね。

最近の日本では、起業する人が少なめです。なぜ日本の勢いがなくなってきてるかというと、戦後に出た自動車や電化製品の大手企業の創業者がいなくなり、二代目、三代目に継がれたためです。自分で立ち上げていないから権限が持ちずらい。どうしても保守的になるのです。

一方で、中国は文化大革命を経験し、その後の変革で経済が発展してきた。だから、中国の起業家たちは白紙の状態から新しいことを始められました。今の日本で白紙だったのはIT分野くらいです。この様な一代目が少なくなった日本では、中国にはなかなか勝てないですね。

日本と中国の違いは、国民性ではなく時代の違い

白紙の状態からスタートする中国だから、勢いがある新しいものが起こりやすい。既存のものがない方が、電子決済やスマホやシェアリングエコノミーも広がりやすいのです。

中国のMOBIKEが日本にきましたが苦戦しています。広まりにくいのは、日本は先に駐輪場の心配をしちゃいます。中国は先に始めてみて、止める場所は後で考える。とりあえず、やってみる。それを許す土壌があるのだと思います。

「中国人は乱暴だ、過激だ」という日本人もいるけど、実は日本も昔はそうでした。だからこれは、国民性の違いではなく時代の違いだと思います。実際、日本も戦後は空き地があれば勝手に商売を始めていたし、僕も含め多くのビデオレンタル屋で海賊版を貸していた時代もありました。今はやってないよ(笑)。

中国でも消費者の考えが変化中です。量より質だし、物質を手に入れることより経験を手に入れたいと思い始めた。例えば最近は、中国人旅行者は買い物よりも日本文化を体験したいと思うようになりましたよね。

つまり、中国には現在の日本みたいな時代がやがて来ると思っています。

賢者は歴史から学ぶ。どんどん真似て、中国は日本を越えていけ

高度経済成長期の日本も欧米から、エコノミックアニマルと批判されていました。ガツガツと稼いでいました。今の中国は当時の日本の何倍もの速度で成長中です。日本も欧米を真似ていたのだから、中国もどんどん欧米や日本から真似ればいいと思います。

中国が日本から学べることは、高度経済成長後の停滞期や社会の変化です。例えば、急成長によって発生した公害問題の対策、不動産バブルの崩壊、それに伴う国民感情や社会の変化、今からの少子高齢化対策。

歴史を見れば、中国でも経済成長の停滞期はいずれ訪れる。愚者は経験で学び、賢者は歴史から学ぶ。愚者は自分自身の成功体験からしか学ばないですが、賢者は普遍的な法則から学びます。中国は、日本のいいところをどんどん真似して、中国を、世界をより良くしていってほしいですね。日本も欧米から学んで成長したのだから、中国も日本や欧米に気をつかう必要はないですよ。(笑)どんどん追い抜いていってほしい。

トランプ米大統領就任はアメリカにとっても、世界にとってもいいことではなかったです。なぜなら、彼はアメリカの古い産業を保護し、アメリカ孤立主義に走り、世界の発展の流れに逆らっているから。

これは世界の多くの国にとって非常に不利ですが、中国にとっては有利です。電気自動車、太陽光発電技術を強化したり、グローバル化を進めることで、中国は世界のリーダーになれるかもしれない。

今後必要となるのは競争に勝つ力だけではなく、協力したいと思わせる力

中国が日本をいろいろな分野で追い抜いている中で、日本としてはもちろん焦りや警戒があります。でも、国境ではなくビジネスで争った方がいい。命を奪い合うよりお金を奪い合ったほうがマシだと思います。

競争はあっていいと思うんです。でも、競争の中でお互い協力したいと思わせることが重要です。

領土の大きさよりもお互い信用を持つことです。国境のことは政治家のおじさん達に任せて、あなた達若い世代は個々との精神的な繋がりで、もっと世界を良くして行ってください。

本当のグローバルとは

具体的にどういう方法を通して「協力したい」と思わせられるかというと、たどり着くのは、利益や儲けです。アフリカに対しては、援助よりビジネスを通して双方に利益があるように協力した方がいい。だから、うちのアフリカ事業は現地の人を雇って社員にする。

僕の中での優先順位は、家族、その次に社員、その次に日本人です。だから、社員がアフリカ人だったら、知らない日本人より、僕にとって優先順位が高いのです。

世の中の人は簡単に人を分けがちだと思います。例えば、キリスト教とイスラム教、黒人と白人、日本人と中国人。でも、僕は好きな日本人もいれば、嫌いな日本人もいる。好きな中国人もいるし、嫌いな中国人もいる。

だから、個人として家族や社員になった時に、国同士で争って欲しくない。人と人が交わると小さい喧嘩は増えるけど、大きな争いは減ります。

世の中の人間関係の複雑化が個々を繋げ、もっと平和な世界になると思います。それが本来、グローバル化が目指すところなのかなと。


今後のDMMと日本社会

ここにいるDMMアカデミー生は高卒や大学中退ばかりです。でも、今のDMMも創業当初は、小さなビデオレンタル店で、社員はみんな高校卒業したばかりの決して優秀とは言えないアルバイトでした。でも、人はチャンスがあれば成長します。

僕としては、その機会をあげることが自分にできることかな、と思っています。その時の最先端のものを勉強させて、彼ら彼女らが心から好きなことをやらせる。俺はテクノロジーやアートも良くわからない。でも、わからないことを知っているので、口は出さないから、若い人はどんどん伸びていきます。そうすれば、DMMは僕がいなくなった後も、発想やパッションが継続していけると思うのです。


行動、行動、行動。

みんなも大学に入る前は親にこうすべきだ、と言われて育ったと思うけど、これから考えない人間は人工知能に代替され必要とされなくなります。自分で思考し行動する能力が一番必要です。

よく、最先端のものをどうやってキャッチしているかと聞かれますが、特別なことはやっていない。自分より頭の良い人の意見を参考にしてるだけ。メディアで「次はアフリカの時代だ」って言ってたらアフリカに行ってみるし、「再生エネルギーだ」と聞いたからそれをやっているだけ。

みなさんは次に何の時代が来るのかを知っているけど、怖がって行動しないだけなんです。分からなければ、関わりながら勉強すればいい。とにかく始めることでだんだん分かってくるし、その分野に詳しい人も周りに集まる。行動が世界を変えるんです。

みんなは一人っ子政策の時代に育ち、大事に育てられたかもしれない。でも、これからは自立して考えないといけない。今後中国、世界を担っていく世代として頑張ってね。僕もDMMの若者も頑張るからね(笑)。

(会場拍手)

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亀山敬司氏

DMMホールディングスの亀山敬司会長は1961年石川県生まれ。石川県立大聖寺高校卒業。19歳で露天商からキャリアをスタートし、1999年にデジタルメディアマート(現DMM.com)を設立。動画配信、通販、レンタル、オンラインゲーム、英会話、FX、ソーラーパネル、3Dプリンター、VRシアター、アカデミー、そしてアフリカ進出と多岐にわたって事業を展開している。

Project Abroad(プロジェクト・アブロード)について

Project Abroadは、北京大学日本人本科生が2016年に発足し、北京大学学生会が後援団体として活動する北京大学生訪日カンファレンス。毎年2月に開催し、去年はYahoo!Japan、今年はDMM.comと開催し、20名の北京大学生が日本の著名起業家や企業との交流を通し、中国であまり広がっていない社会起業について学ぶカンファレンス。

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